「検討調査研究」カテゴリーアーカイブ

海の中を覗いてみたら。大人もワクワクする展開が待っていました。SDGS海の豊かさを守る取組みの展開♪

2022年8月
東京大学生産技術研究所北澤研究室、テックYMのご協力により、平塚沖の定置網にブイを設置する実験が行われました。これは、定置網の中の魚をカメラで確認しながら水揚げができたならば。
●魚がいるときにお魚を獲りにいく(魚がいないときは獲りにいかない)
●資源管理をしながら漁獲もできる
こんなことをイメージしました。 定置網漁業者も、海の豊かさを守る取組みにつながると感じブイ設置に参加しました。
通信テストや実際に遠隔で映像をみるなど実験が進みました。

2023年7月
ひらつかタマ三郎漁港に1つのブイが設置されました。
これは、東京大学生産技術研究所が中心となり太陽光で充電しながら、電波を使って水中の映像を伝送する実験です。大学の水槽などで実験は進められ、実際の海での実験開始となりました。
漁協としても、電池交換なしで動かすことができるような機械となれば、日々操業を行う漁業者の負担なく利用できるかも!と期待しつつスタート。

まずは漁港内に設置。
充電や通信の実験を経て、それらの課題を踏まえ実験は、次のステージへ。
2023年8月下旬、ブイの形を変え通信部分もバージョンUPさせ漁港内での耐久テストスタートです。

2023年9月下旬。
約1ヵ月間の予定でブイを設置、経過観察していたところ。水中映像にアオリイカが!感覚的に漁港の奥は、海水があまり循環しないイメージがあるので、あまり生き物はやってこないと思っていました。
ところが、何度もアオリイカの姿を確認することができ、ブイの下あたりを気に入っている様子。この映像には、漁業関係者もビックリ。漁港の利用方法は、船を泊めるだけでなく豊かな漁場形成の可能性もあるのではないかと、漁業者から意見も出ました。

(公財)日本釣振興会神奈川県支部さんとの情報交換の中で、相模湾各地でアオリイカ産卵床を設置するプロジェクト【アオリイカコミュニティ】展開されていることを耳にしていました。平塚周辺でも育てる漁業、産卵床的な取り組みを行いたいと思っていましたが、産卵床適地が無く実行は足踏み状態でした。

漁業者からの意見と、アオリイカ産卵床のイメージを実行するには
「ブイの下に間伐材を置くこと」
善は急げ、すぐにやってみたい、さぁやてみよう!

10月初旬 関係者の理解を得て、ブイの下に間伐材(実は、漁港内に生えてしまっていた雑木)を設置。カメラで様子を見ました。すると間伐材に魚が群れる様子が!魚たちの目的は定かではありませんが、キラキラした魚影が頻繁に映し出されました。

この映像を見ているだけでもワクワク、時間を忘れて見つめてしまいます。ふと色々な考えが浮かび上がりました。
●魚たちが泳ぐの様子を子供たちに見せてあげたい。
●地元飲食店のランチ待ち時間でこの映像を見れたら楽しい。
●漁港がお魚育成場になる可能性がある。
●漁港の浮き桟橋下に木を吊るせば、より海の豊かさにつながるのでは。
●海が豊かになれば、漁獲も増えるんじゃぁないかな。
とワクワクが止まりません。

これまで見てこなかった、海の中のリアルタイムをちょっと見れるようになっただけでこんなに前向きになるなんて!ブイの継続設置を漁協から関係各位に依頼しました。

2024年1月
当漁港内ではブルーカーボン増殖チャレンジを遂行中です。神奈川県水産技術センターから「かじめ」「あかもく」の苗を。他漁港から「わかめ」や「こんぶ」を仕入れ、相模湾全体で少なくなっている海藻が増えていくようにまずは漁港内で成長を見守っています。水中カメラとコラボして、現在は海藻をカメラで確認、観察を続けています↓↓↓

地球温暖化や資源減少など、海を利用させてもらっている身としては、様々な課題があり一人では解決できない大きな壁です。しかしながら、東京大学生産技術研究所北澤研究室、横浜国立大学海事流体力学研究室、テック YM、ファーストシーン(株)、 日東製網(株)、平塚市、漁師たち。みんなの力で漁港をフィールドとして課題可決に一歩でも取り組めること感謝しつつ、今後もできることからコツコツと取組みを進めていきたいです。

汐線ハマグリを平塚海岸に放流しました!

2023年5月22日(月)
とても暖かい、暑い!日和となりました。
平塚海岸沿岸に「はまぐり」を放流しました。
毎年、少量ではありますが、2012年からコツコツ取組んでいる事業です。
例年実施している海底耕耘事業でも、はまぐりの姿も確認でき子返しに期待しているところです。はまぐりは不定期で採捕出荷。タイミングよく地どれ魚直売会で販売も考えています。
今回放流したハマグリは、1つぶ9g~10gサイズ。
海で何倍にも多くなって育ってね!と願いを込めました。

放流には(公財)相模湾水産振興事業団さんよりご支援もいただき合計約13200個を地先にまきました。
海岸ではまぐりを見つけた際は、逃がしてください。よろしくお願いします。

2021年のハマグリ放流風景動画です。

今年度最後6回目の海底耕耘事業を行いました。

2023年3月27日(月)
豊かな漁場をめざし、海底を耕すことで漁場を改良、海底のゴミも回収、さらには地先の生物資源の調査も兼ねた海底耕耘事業、今年度最後となる6日目を行いました。

この日はどんより曇り空、風も波も若干あるコンディションのなか、定置網船「川長三晃丸」を使用して、平塚新港沖~相模川河口沖にかけて、水深6m~12mほどの海域を耕耘してきました。
今回の耕耘では貝類は採集されませんでしたが、小さめのヒラメやシタビラメなどが採集されました。

今年度の海底耕うん事業は最後となりました。
6日間を各2時間程度おこなった耕耘程度では、広い海原では大した影響を与えることはできないと思います。
それでも、少しでも海底を耕すことで生物の住みやすい環境を作り、漁業者の水揚げにつながることを期待しています。